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水上武彦の
サステナビリティ経営論
サステナビリティリーダーは2026年に何をすべきか?
2025年の初頭、チーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSO)に主な役割を尋ねた場合、「変革を推進し続け、経営陣の理解を得て、サステナビリティを企業経営に統合するためのビジネスケースを構築すること」だった。今後の数年間は、こうした路線が維持される見通しだった。 この見通しは正しく、企業によるサステナビリティへの取り組みは、金融・政治・社会面で大きな逆風に見舞われながらも、ほぼ変わらない水準を維持している。実際、多くの企業が取り組みを深化させている。しかしサステナビリティの業務全体に影響を及ぼす2つの重要な転換点があった。 第1に、メッセージングの重点が外部コミュニケーションから内部コミュニケーションへと移行している。取り組み自体は継続されているものの、現状の環境下でそれを推進しようという意欲は減退し、その方向性も劇的に変化した。気候変動への取り組みや社会インパクトを外部に強調する代わりに、現在のコミュニケーションはより内部に焦点を当て、ビジネス上の利益を重視するようになっている。 第2の関連する変化は、サステナビリティが組織内で主に法的・規制上
takehikomizukami
1 日前読了時間: 5分
ビジネスモデル変革にサステナビリティ目標を組み込む方法
サステナビリティ目標の達成とビジネスの成長、すなわちCSVを実現するにはビジネスモデルと組織構造を変革する必要がある。最近のDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー記事「ビジネスモデル変革にサステナビリティ目標を組み込む方法」が、イタリアのエネルギー大手エネル、スイスのセメント大手ホルシム・グループなどの世界を代表するCSV企業を例にあげて、CSV実現のための3つの課題とそれに対処する手法を提示している。以下概要を紹介する。 多くのグローバル企業がサステナビリティ目標を公約として掲げているが、こうした約束を果たすには、デジタル技術やAIによって引き起こされた変革に匹敵または凌駕するレベルでビジネスモデルや組織構造を変革する必要がある。 DXを主導したのは大多数がシリコンバレーの企業だったが、サステナビリティの先駆的企業の多くは欧州、中南米、アフリカに拠点を置いている。そうした先駆的企業の10社以上を研究対象とし、エネル、ホルシム・グループ、モロッコのリン酸塩・肥料大手OCPグループ、ブラジルの製紙・パルプ会社スザノなどについては、詳細な分析を
takehikomizukami
6 日前読了時間: 7分
サステナビリティ人材には、世界の持続可能性への貢献と自社の長期的企業価値向上という2つの目的が混ざった曖昧な概念を受け入れて、状況に応じて使い分ける「ネガティブ・ケイパビリティ」が必要だ。
以前、 サステナビリティ経営の目的は2つある と書いた。「世界の持続可能性に貢献すること」と「長期的に企業価値を向上すること』だ。本質的には、企業がサステナビリティに取り組む目的は「世界あるいは人類の持続可能性に貢献するため」だ。しかし、多くの企業を巻き込むには「サステナビリティは企業価値を長期的に高める」という認識を広げることが必要ということから始まり、政策や市場の変化も相俟ってサステナビリティ経営を通じた企業価値向上の可能性も以前より高まっていることから、サステナビリティ経営の目的を「長期的に企業価値を高めること」と考える人も増えているだろう。 実際のサステナビリティの取組みは、2つの目的が混ざった曖昧なものとなっている。サステナビリティ経営により企業価値を高めると言いつつ、社会的要請に対応して必ずしも企業価値に直結しないCO2排出削減や人権対応などを進めている。 以前のブログでは、サステナビリティ経営の目的は明確にしたほうが良いと書いたが、実際のサステナビリティ経営は2つの目的が混ざった状態で進められていくとすると、曖昧な状況を受け入れつつ
takehikomizukami
12月13日読了時間: 2分
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